昆布の種類と特徴
昆布の種類はとても多いのですが、現在日本で生産されて流通しているものというと数種類しかありません。
そしてそのほとんどが北海道で生産されています。
真昆布
北海道の道南地区に生育する昆布で、色は少し緑がかっていて、幅が広いのが特徴。
澄んだだしが取れることからだし昆布として珍重されるほか、佃煮やおぼろ昆布としても利用されています。
口に入れると上品な甘みが口いっぱいに広がり、そのうちトロリと口の中でとろけてくる食感が美味しいです。
だし汁は透き通っていて甘みがあり、また昆布自体もすぐにやわらかくなりますから、細く切って使うには特におすすめです。
ただし、漬物に使う場合は独特の粘りが出やすいので、粘りが出るのを嫌う場合は、避けたほうがいいと思います。
近年では養殖物もずいぶん出回るようになってきましたが、やはりうま味の点では天然物と比べ物にならないので、できれば天然物を使うほうがいいです。
利尻昆布
利尻昆布は、利尻・礼文(れぶん)諸島沿岸を中心に採れる昆布。
幅はそれほど広くないですが、真っ黒な色はちょっと迫力があって、いかにも昆布という感じがします。
ほんのりと塩気を持ち、古くから京料理などに使われていてます。
特有の豊かな風味と甘みがあり、だしや煮物に適しています。
だし汁は、真昆布よりは甘みに欠ける感じはしますが、うま味の点では堂々たる風格があります。
だし汁が透き通っているのが、いかにも料理の色を気にする関西人好みで、特にすまし汁などによく使われています。
羅臼昆布
羅臼を中心とした知床半島沿岸で採れる昆布。
色はやや茶褐色で、コクのある濃いだしが取れ、香りも良いことから関東で人気があり、主にだし昆布として使われています。
繊維質が少なく、やわらかいのが特徴です。
日高昆布
真昆布よりは幅が狭く、うま味はやや薄い感じがします。
関東では根強い支持があって、高級昆布の代名詞という感じさえあります。
生産量は多く、家庭でよく使われています、
繊維質がやわらかく、煮あがりが早いので、だしとりから昆布巻き・佃煮まで用途は広いです。
早煮昆布
一度蒸してから乾燥させた製品で、繊維がやわらかく肉薄なので、おでんの昆布巻きなどに用いられています。
白板昆布
黒い表面を削った「黒おぼろ」のあとの白い部分を薄い板状にしたもので、押し寿司やバッテラ・昆布じめなどに使われています。
とろろ昆布
酢に浸してやわらかくしてから圧縮し、断面を削ったものであり、汁物や煮物に使われていますが、刻んだヤマイモなどにのせても美味しいです。
だしの代わりになるうえ、よい香りやトロっとした食感も加わります。
糸昆布
糸状に加工した昆布の呼び名です。
干してから刻んだものと、ゆでる・酢につけるなどの加工をしてから刻み、乾燥させたものがあります。
昆布の特徴
日本の昆布の約90%が北海道産で、そのほかは青森県や岩手県・宮城県などの三陸海岸沿いで収穫されています。
昆布にはさまざまな種類がありますが、一般的に昆布という場合、だし用として使われている真昆布のことを指します。
根元に近いほど味がよく、うま味があるので、根元のほうがいいとされています。
また、昆布は、生育する環境によって品質や風味・用途が異なり、それぞれに特徴があるので、名前に産地名が入っていたります。
乾燥した昆布の表面についている白い粉は、マンニット(糖質の一種)といいます。
甘みを持つうまみ成分のひとつになりますので、取り除いたり洗ったりせず、ふきんで表面の汚れやホコリを軽くふき取る程度にしたほうがいいです。
昆布の上手な選び方
- よく乾燥し、ツヤや厚みがあるもの。
- 表面に付着している白い粉(マンニット)が多いもの。
- 黄色っぽいものは鮮度が落ちているので避けたほうがいいです。
- 乾燥した真昆布は、肉厚で幅が広くやや濃い緑色のもの。