オクラの特徴
オクラの原産地はアフリカ北東部。
エジプトでは2000年以上も前から栽培されていたといわれています。
日本に入ってきたのは明治時代からですが、独特の粘りに好き嫌いがあるので、普及して本格的に栽培が始まったのは近年になります。
ハイビスカスに似た花をつけ、野菜の花の中では特に美しく、昔はコーヒー豆の代用として使われていたこともあります。
スラリと伸びた緑色の美しいさやからレディースフィンガーとも呼ばれています。
オクラは数日で成長し、採り遅れて大きくなったものはすぐに固くなってしまいます。
日本では和え物として食べられることが多いですが、欧米ではソテーやスープ・煮込み料理など幅広く使われています。
オクラの種類
丸オクラ | |
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5角のものよりやや大さやで、肉質がやわらかいのが特徴。
沖縄ではこちらのほうが一般的であり、島オクラとも呼ばれています。 |
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赤オクラ | |
果肉が赤く、料理の彩りにも最適な品種。
ゆでると濃い緑色に変わってしまうので、生のまま食べたほうがいいでしょう。 |
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ミニ | |
通常のオクラを2~5cm程度で若採りしたもの。
生食向きで、主に料亭などに出荷されています。 |
オクラの旬
旬のカレンダー
オクラは、ハウス栽培が盛んで一年中出回っていますが、夏が旬の野菜。
オクラの産地
都道府県別収穫量(農林水産省 平成24年統計 参照) |
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鹿児島県 全国収穫の66.0%の構成比 1,013t |
高知県 全国収穫の24.5%の構成比 376t |
熊本県 全国収穫の3.7%の構成比 56t |
国内では暖地の栽培がほとんどであり、ハウスやトンネルなどの施設を使った栽培物が出まわるのが3月~6月。
その後、露地物が11月初旬まで出荷され、それからはフィリピンやタイ産のものに代わっていきます。
一般的に広く普及しているものは断面が5角形ですが、沖縄や八丈島のものは丸くなっています。
オクラの上手な選び方
- 鮮やかな緑色のもの。
- ヘタがしっかりしているもの。
- サヤの形がはっきりとしていて、やわらかいもの。
- うぶ毛が多く、均一に生えているものが新鮮です。
- 大きすぎたり太すぎたりするものは、種が成長しすぎている可能性があり、食感が悪くなるので避けたほうがいいでしょう。
オクラの食べ方
オクラは、ゆがくことで青臭さが抜けて口当たりがよくなるので、一度ゆがいてから料理しましょう。
サッとゆでてから食べるのがよく、ヘタは苦味があるので、切り落としたほうが美味しく食べることができます。
また、独特の渋味はタネを取るとなくなります。
ゆがくときは、沸騰した湯に塩もみしたオクラを入れ、緑が濃くなったらすぐに引き上げます(長くゆですぎると栄養分が逃げてしまうので注意が必要)。
少し臭みがあるので、食べられない人は、ゆでてからサラダや和え物・バター炒め などにしたり、カレーやシチューに入れたりするといいでしょう。
天ぷらや煮込み料理など加熱する場合は、生のままの方がよく、煮魚を煮るときに加えると臭い消しにもなります。
炒めものやフライなど、油といっしょに調理するとβ-カロテンの吸収率があがり、抗酸化作用がより高まります。
オクラは生で食べるのがおすすめなのですが、加熱調理しても大丈夫。
ネバネバは半減しますが、加熱しても栄養価があまり変わらないのが特徴です。
塩をまぶしてうぶ毛をこすり落とし、熱湯でサッとゆでると食べやすくなります。

うぶ毛は、流水を張ったボウルの中に緑のネットごと入れてこすり合わせると、簡単に取ることができます。
また、板ずりをするように塩でこすってもよく、表面のうぶ毛は塩でもむと取れます。
オクラの保存法
オクラは鮮度が落ちやすく、冷蔵庫に入れても長くもたないので、早めに食べる必要があります。
低温を嫌うので、日の当たらない場所であれば、常温で保存することも可能。
冷蔵庫で保存する場合は、市販のネット袋のままポリ袋に入れるか、プラスティックの密閉容器などに移し替えるといいでしょう。
冷凍保存する場合は、生のものをそのまま保存袋に入れればよく、冷凍しておくと、凍ったまま刻むことができます。
納豆やスープなどに混ぜることができるので便利です。