うなぎの特徴
別称・方言
カヨコ(千葉)・エドマエ、カニクライ(東京)・スベラ(長野)・チュウ(浜名湖)・アオバイ(岡山)・リンズウナギ(高知)・ヌチャウナギ、ヤアクヮア(沖縄)
特徴
うなぎは、うなぎ科の魚であり、北海道以南の日本各地・朝鮮半島・中国・台湾に分布。
夏バテを防ぐためにうなぎを食べる習慣は日本では大変古く、万葉集にその記述があるくらいです。
全長はふつう60cmほどですが、大きなものは1mにもなります。
日中は、岩のすき間や石の下に潜み、夜になると活動。
小魚や甲殻類・昆虫類などを貪欲に捕食しています。
うなぎのぼり
濡れていれば、切り立った絶壁でも体をくねらせてはいのぼる姿が語源。
何かをきっかけに、急速に上昇していく場合などに用いられます。
蒲焼き
うなぎを開いて頭と骨を取った後、身に串を打ち、甘辛いタレをつけて焼いたもの。
白焼き
タレをつけずに焼いたものであり、ワサビや大根おろし・ショウガ醤油などをつけて食べます。
肝吸い
胃を中心とした内臓部分の吸い物であり、うな丼やうな重と共に出されることが多いです。
肝焼き
数匹分の胃などを串に刺してタレにつけて焼いたもの。
うざく
焼いたうなぎの切り身と、キュウリやミョウガなどを使った酢の物。
う巻き
うなぎの白焼きまたは蒲焼きを、芯にして巻いた卵焼きのこと。
八幡巻
ゴボウを軸としてうなぎなどを螺旋状に巻きつけた上で、煮たり焼いたりしたもの。
うなぎが使われないこともあります。
うなぎの旬
旬のカレンダー(天然物)
旬のカレンダー(養殖物)
天然物のうなぎが本当に美味しいのは、夏ではなく秋から初冬。
養殖物は、土用の丑の頃にもっとも脂がのるように工夫されています。
土用の丑とは?
夏の土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は、江戸時代末期からうなぎ屋さんの宣伝として始まりました。
江戸時代のある日、まだ夏にうなぎを食べる習慣がない頃、商売がうまくいかないうなぎ屋が、平賀源内に相談をもちかけました。
源内は、丑の日に「う」の字がつく物を食べると夏負けしないという言い伝えをもとに、「本日 丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めました。
そうすると店はとても繁盛したので、ほかのうなぎ屋もそれをまねるようになりました。
それが、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣が定着したことだといわれています。
うなぎの産地
農林水産省(平成24年漁業・養殖業生産統計)参照 |
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鹿児島県 全国漁獲の41.3%の構成比 7,184t |
愛知県 全国漁獲の23.5%の構成比 4,081t |
宮崎県 全国漁獲の17.9%の構成比 3,111t |
うなぎは、淡水魚の総養殖生産量の約40%を占めています。
ただ、天然物は約10%にすぎず、ごく一部の県から専門店へと流通。
天然物・養殖物共に需要には追いつかないので、台湾や中国・オーストラリアなどからも輸入されています。
うなぎの食べ方
うなぎを使った料理で代表的なのは、うな丼やうな重。
温かいご飯の上にタレをつけた蒲焼きをのせ、さんしょうの粉をかけて食べると美味しいです。
さんしょうは、香りだけではなく、脂肪の酸化を防いだり消化を助ける働きがあり、食欲の増進を促します。
また、タレをつけずに炭火で焼き、わさび醤油で食べる白焼きや・蒲焼きを細かく刻み、タマゴで巻いたう巻きなど、さまざまな食べ方を楽しむことができます。
この他、かぶと焼きや肝吸い・揚げて骨せんべいなど、頭や肝・骨などを使った料理などもあります。
ただ、うなぎは、脂質が多くカロリーが高めなので、メタボ気味の人にはおすすめできないです。
蒲焼きの脂が気になる人は、蒸して脂を落とす白焼きを食べたほうがいいでしょう。
うなぎは、血液にイクシオトキシンという毒を含むため生食はできませんが、熱を加えると毒性が消えます。
ヨーロッパでは、皮をむいてぶつ切りにして使うことが多く、赤ワインで煮込んだ料理が有名になります。
うなぎのさばき方に、背開きと腹開きがあるのはなぜ?
うなぎの蒲焼きは、一般的に串にさし、タレがついた蒲焼きの状態で出まわっています。
関東は背開きにし、白焼きにしてせいろで蒸し、脂を落としてからタレをつけて焼くため、ふっくらとした身が特徴。
一方、関西では腹開きにして、そのままタレをつけて焼くので、皮がパリっとして脂がのって濃厚な味わいです。
この違いは、江戸時代、武家社会だった江戸では、腹を切ることが切腹を連想させるため嫌がられたので、背開きになりました。
一方、商人の街だった大阪では、腹を切って話せるようにということから、腹開きにしたという説があります。
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