マグロの種類と特徴
メバチマグロの特徴
別称・方言
メツバチ(三重)・メッパ(和歌山県新宮・太地・和深・白崎)・イモシビ(高知)・メフト(宮崎)・シビ、トカキン(沖縄)
名前の由来
メバチは東京・東北・東海・高知での呼び名であり、眼が大きいということから。
特徴
メバチマグロは、サバ科の海水魚でマグロ類の一種。
日本近海や世界中の温・熱帯域に分布しています。
マグロ類のなかでは中形で、体長2m・重さ150kgに達します。
表層から水深250mの範囲を行動し、魚類・甲殻類・イカ類を食べています。
産卵期は、北半球で4~9月・南半球では1~6月。
目が大きいのが特徴で、生後3年で体長1mになると成熟を始めます。
メバチマグロの旬は春と秋であり、トローリングの対象魚になっています。
メバチマグロはクロマグロ・ミナミマグロに比べて資源量が大きく、遠洋での延縄により漁獲され国内へ水揚げされています。
クロマグロに比べて味が落ちるとされ、安価で流通しています。
国内産・輸入物共にもっとも多いのがメバチマグロであり、スーパーなどで多く陳列されています。
食べ方
寿司だねや刺身など、クロマグロと同じく食用として利用されています。
中落ちにネギと味噌を加えると美味しいです。
キハダマグロの特徴
別称・方言
キワダ、キワダマグロ(東京)・ゲスナガ(静岡)・コイト(和歌山)・ハンバツ(高知)・ビンキリ(宮崎)・アカシビ(沖縄)
名前の由来
黄色いハタ(ヒレ)ということや、ヒレや尾が黄色(黄肌)ということから。
特徴
キハダマグロは、サバ科の海水魚。
日本近海や世界中の温帯・熱帯の海域に広く分布しています。
体長は日本近海では1.5m前後までですが、南方の熱帯漁場では2mになり、重量は100kgにも達します。
肉食性で中・小形の魚類・イカ類・甲殻類などを捕食。
フィリピン近海から日本南部海域にかけての産卵期は4~8月になります。
近海では、カツオに混ざって漁獲されています。
関西以南に多く、夏に生で食べると美味しい。
食べ方
クロマグロやミナミマグロより脂肪が少なく、身はピンク色で空気に触れると鮮やかな紅色になります。
赤身のものとしては、最も色持ちが良いので刺身に向いています。
魚肉ソーセージや缶詰にも加工されています。
ビンナガマグロの特徴
別称・方言
トンボ、ビンチョウ/ビナガ(宮城)・カンタロウ(三重)・トンボシビ(関西・高知)・コビン(愛媛県御庄町・高知)・ビンチョ(高知県室戸)・シビ(福岡・沖縄)・ハニシビ(沖縄)
名前の由来
頭部左右の髪を鬢(びん)と呼びますが、この魚の長い胸ビレを長い鬢に見立てたことから。
特徴
ビンナガマグロは、サバ科の海水魚。
日本近海や世界中の亜熱帯・温帯の外洋域に生息しています。
表層から水深400mの範囲を群れをなして回遊していて、旬は夏。
マグロ類の中では小形の部類に入り、通常だと体長40~80cmですが、1.2mほどになるものもあります。
肉食性で中・小形の魚類や甲殻類・イカ類などを捕食しています。
ビンナガマグロは、肉が白くやわらかいため。日本人にはあまり好まれていません。
ただ、欧米では人気があるため、日本で獲れたものの大部分が缶詰として輸出されています。
食べ方
身がやわらかいため、あまり刺身には適さないとされていました。
しかし、最近では脂がのった味が見直されていて、刺身や寿司だねに使われています。
かまぼこや魚肉ソーセージ・缶詰などの加工品としても利用されています。
回転寿司のネタとして有名になりましたが、もともとはツナ缶の材料として使われる安価のもの。
加熱しても身がやわらかく鶏肉のような風味になるため、ビンナガマグロの油漬け缶詰はシーチキンといわれています。。
国内だけではなくアメリカなど海外にも大量に輸出されています
クロマグロの特徴
別称・方言
クロシビ、ホンマグロ、マグロ/ゴンダ(岩手・宮城)・オオマグロ(東京)・クロ(茨城・千葉・神奈川)・オオタロ、トヨマ(富山)・ハツ(関西・高知)・オオシビ(福岡)・ゴトウシビ(宮崎)
名前の由来
肉が暗い赤色なので真っ黒という意味や、眼が黒いことから。
特徴
クロマグロは、サバ科の海水魚。
日本各地の沿岸・北太平洋・北大西洋の暖海域に広く分布しています。
クロマグロは、マグロだけではなく魚類の中で最も値段が高く、青森県大間の一本釣りのクロマグロは1尾で家が買えるほどです。
大トロは、クロマグロとミナミマグロからだけ取れます。
マグロ類のなかで最も低水温に適しており、外洋を群れをなして高速で泳ぎます。
全長は約3mであり、重量は300kgを超し、成長は早く1年で50cmぐらいになり、4~5年で成熟し寿命は10年を超えています。
肉食性で、イワシ類・アジ類・サバ類・トビウオ類などの中・小形魚類や、イカ類・甲殻類などをまるのみにします。
食べ方
脂肪が多く、腹側の部分はトロと呼ばれていて、寿司だねや刺身として人気があります。
江戸時代からある伝統的な寿司だねであるズケという、背の赤身部分をしょうゆに漬け込んだものがあります。
ミナミマグロの特徴
名前の由来
南半球に生息するマグロということから。
特徴
ミナミマグロは、サバ科の海水魚であり、インドマグロとも呼ばれています。
南半球の高緯度地帯だけに分布していて、体長約2.3m・体重160kgにも達しています。
ミナミマグロは高価なマグロであり、クロマグロより美味しいというプロの料理人もいます。
食べ方
肉質はクロマグロによく似ていますが、赤身にも脂肪があるのが特徴。
新鮮なものは、刺身や寿司だね・煮つけ・照り焼き・ステーキなどにすると美味しいです。
コシナガマグロの特徴
別称
ハシビ、ビンツケ(長崎)・シロシビ、セイヨウシビ(鹿児島)
名前の由来
尾の部分が長いことから。
特徴
コシナガマグロは、サバ科の海水魚。
西太平洋・インド洋・紅海の暖海に分布しています。
体長約60~100cmであり、群れをなし表層域を遊泳し、おもに魚類を食べています。
産卵期は5~6月になります。
食べ方
ソテーにしたり、カレーに煮込んだりすると美味しい。
マグロの特徴
名前の由来
マグロという名前は、目が大きく黒い魚であることの目黒に由来するといわれています。
特徴
マグロは日本で昔から食用とされていて、日本人にとってなじみの深い魚。
赤身で傷みやすいこともあり、江戸時代初期まで魚としての評価は低かったです。
江戸時代の中期から調味料として醤油が普及し、これによりマグロの身を醤油につけるヅケとして握り寿司のネタに使われ始めました。
その後、赤身が良いものとされ、食べられるようになったのは近年のことになります。
現在では、世界的な日本食・寿司のブームによってマグロの消費量が増大し、価格が高くなっています。
新鮮なマグロは、刺身やすし種・山かけ等にして生のまま食べると美味しいです。
また、マグロの骨についている赤身を集めてきざみネギと混ぜ、ネギトロにしてもいいでしょう。
赤身は、植物性の油をプラスするとコクがアップするので、加熱した料理にも向いています。
マグロは、脂が多く身が厚いため、味がのりにくくなっています。
そのため、濃いめの漬けじょうゆで味をしみ込ませてから焼いたほうがいいでしょう。
マグロは、部位(赤身・中トロ・大トロ)によって味わいが違うのが特徴です。
赤身
脂肪が少なく身がしまっている部位。
赤身の部分はしっかりとしたうま味があり、状態のいいマグロには若干の酸味もあります。
マグロの骨についている赤身を集め、きざみネギと混ぜ、ネギトロにすると美味しいです。
赤身は、植物性の油をプラスするとコクがアップするので、加熱した料理にするのもいいでしょう。
中トロ
赤身と大トロの中間。
しっとりとした赤身の部分に、きめ細やかなトロが入り込んだ絶妙な味わいが人気。
マグロ好きは、まず中トロを食べて、そのマグロの良し悪しを判断するともいわれています。
大トロ
マグロのお腹の部分。
脂肪が多い分、傷みやすくなっています。
脂分が多く肉質がトロリとしているので、トロと呼ばれるようになったといわれています。
マグロの旬
旬のカレンダー
マグロは、一年中出まわっていますが、一般的には秋から冬が旬。
巻き網によるマグロは、初夏に漁獲のピークがあります。
マグロの産地
農林水産省(平成24年漁業・養殖業生産統計)参照 |
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北海道 全国漁獲の22.5%の構成比 651,200t |
長崎県 全国漁獲の7.7%の構成比 222,100t |
静岡県 全国漁獲の7.3%の構成比 210,600t |
マグロは、主に日本近海で獲れますが、遠洋漁業で漁獲されるのも多いです。
マグロの価格高騰と天然物の漁獲量の低下もあり、養殖の出荷量は増大しています。
2002年に近畿大学水産研究所が、30年余かけて世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功していて、注目されています。
マグロの上手な選び方
- 目が澄んでいるもの。
- 身の筋目が平行なもので、鮮やかな赤色のもの。
- 血汁があまり出ていないもの。
- 赤身は全体的にツヤがあり、色に深みがあるもの。
- トロは、筋目が平行に等間隔で入っているもの。
【マグロのカロリーや栄養はコチラ】
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