いちじくの特徴
いちじくは、春から初秋にかけて果実の中に白い花が咲き、そのまま肥大しますが、外側からは花が見えないため、漢字では無花果と書きます。
原産地はアラビア南部。
アジアには太古の時代に伝わり、地中海沿岸地方には紀元前14世紀頃に伝わりました。
果物の中では最も歴史が古く、旧約聖書にも登場しており、アダムとイブが身につけていたのも実はいちじくの葉になります。
その旧約聖書の中に、干しいちじくのひとかたまりで腫瘍を治すとあるように、西洋では古来、腫瘍の特効薬として知られていました。
また、エジプトの第12王朝時代である、紀元前2400年頃からの墓碑のレリーフには、ブドウとともに植物では最も多く刻まれています。
古代ローマでは最もありふれたフルーツのひとつであり、いちじくが世界最古の栽培植物であった可能性も考えられています。
中国には、8世紀にペルシアから伝わり、日本にはポルトガル人によって16世紀に伝わりました。
当時は薬用として栽培されていたらしいのですが、不老長寿の果物といわれるほど、漢方や民間療法に取り入れられていたそうです。
日本でもいちじくの乳汁をつけるとイボが取れるとか、痔の湿布薬になるとか、葉を刻んで風呂に入れると神経痛に良いとか、民間療法の薬として珍重されています。
また、漢方でも整腸作用や血圧降下・健胃・消化促進・二日酔い防止など、さまざまな薬効があるといわれています。
いちじくは、優しい甘みが特徴。
生のものや干したものをケーキなどのお菓子に利用することが多いですが、生ハムやヨーグルト・チーズとの相性が抜群です。
よく熟したいちじくの果皮をむき、生のまま食べると美味しいですが、冷蔵庫で1~2時間冷やすとより美味しく食べることができます。
また、果肉を砂糖で煮詰めてジャムにしたり、ヨーグルトやほかの果物とあわせてドリンクにしても美味しいです。
いちじくは、肉などの消化を助ける消化酵素が含まれているので、胃腸の働きが低下している時には積極的に食べましょう。
ただ、食べ過ぎると身体を冷やすので、1日1~2個を目安にするといいです。
いちじくの種類
桝井ドーフィン | |
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日本では最もシェアの高い品種。
ほどよい甘みとさっぱりとした風味があります。 |
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蓬莱柿 | |
古くから栽培されていて、上品な甘みとほどよい酸味があります。 | |
とよみつひめ | |
黄色とルビー色の果肉で、果皮は赤紫色。
果肉部分がトロリとした食感であり、糖度も高い。 |
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バナーネ | |
皮が深い緑色であり、酸味がありねっとりとした肉質。 | |
ビオレ・ソリエス | |
フランス原産のいちじくで、皮ごと食べることができます。 |
いちじくの旬
いちじくには、夏果と秋果があります。
夏果は、7月上中旬で旬が短いうえに、生産量がわずかで入手は困難。
6月中旬頃から店頭に出まわるのは加温ハウス栽培の秋果で、8月中旬くらいまで出荷されます。
無加温ハウス栽培の果実は7月中旬~9月中旬まで出回り、露地栽培の果実は8月中旬~10月下旬に出回っています。
いちじくの産地
いちじくは、愛知県や和歌山県・福岡県などが主な産地。
いちじくは、温暖な気候で育つ果物なので、西日本での収穫が多いです。
海外では、アメリカのカリフォルニア州や、アラビア半島の周りの国などで収穫されています。
いちじくの上手な選び方
- ふっくらとして形がよく、皮に傷がないもの。
- ヘタの緑がきれいなもの。
- おしりが開いているものは避けたほうがいいでしょう。
- 甘みがあって美味しいのは、よく熟したもの。 頭の部分が今にも割れそうで、果皮が赤褐色のものです。
いちじくの保存法
いちじくは、やわらかくて傷みやすいので、入手後はできるだけ早く食べましょう。
熟すまで室温に置き、よく熟したら、ラップに包むかビニール袋に入れて冷蔵庫で保存すると、1~2日はもちます。
それ以上の保存は、ジャムやシロップ煮にするといいですが、作るときにレモン汁を加えると色や味は良くなります。
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