鴨肉の特徴
カモは、古くから食用にされてきた鳥で、流通しているのはマガモ・アイガモ・アヒルの3種類になります。
マガモ・・・野生のマガモは数が非常に少なく、狩猟が解禁される冬が旬であり、脂がのって美味しくなります。
アイガモ・・・アヒルと野生のカモの交配種であり、国内に流通する多くの肉がアイガモです。
アヒル・・・野生のカモを家畜化したもので、高脂肪で肉がやわらかいです。
カモがネギを背負ってくる
カモがネギを背負ってくるということわざがありますが、これは、好都合であることや願ってもないことのたとえになります。
カモとネギはとても相性がよく、滋養強壮になるカモと、肉のくさみを消し体をあたためる効果があるネギが揃うと、冬のごちそうであるカモ鍋の材料が思いかけず手に入ることからこのようにたとえられています。
フォアグラ
フランス語でフォアは肝臓・グラは肥大したという意味を持つフォアグラですが、カモの脂肪肝になります。
強制的にエサを食べさせて肥大した肝臓は、500~900gで正常な肝臓の10倍にもなります。
濃厚な味わいは、世界中のファンが愛してやまない世界三大珍味の一つになります。
鴨肉の上手な選び方
- 肉が鮮やかな赤色のもの。
- 皮にハリがあるもの。
- 脂身が白色のものは良品です。
鴨肉の栄養
鴨肉は、鶏肉に比べて味が濃厚であり、ビタミンAやビタミンB群・ナイアシンなどが豊富に含まれていて、貧血や生活習慣病の予防に対する効果が期待できます。
栄養価が高いわりに低カロリーなので、ダイエットに適している食材になります。
鶏肉にくらべて味が濃厚で、脂身が分厚く脂質が多いのが特徴であり、特にメスは皮下脂肪が豊富でこってりとした味わいがあります。
ただ、脂質が多いといっても、不飽和脂肪であるリノール酸が豊富なので、摂りすぎなければ特に心配することはありません。
また、適量で摂っていれば、中性脂肪やコレステロールを下げる効果が期待できます。
赤身の肉には鉄が多く、ヘム鉄といってからだに吸収しやすい鉄が含まれています。
レバーが苦手な人にはおすすめであり、貧血の予防・改善に対する効果が期待できます。
「発育のビタミン」や「美容のビタミン」といわれているビタミンB2が豊富に含まれていて、細胞の再生やエネルギー代謝を促す作用があります。
韓国などでは、鴨肉には解毒作用があるとされていて、薬としての効用も認められています。
鴨肉の主な栄養成分
ビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB12・ナイアシン・リノール酸・鉄
鴨肉の栄養を強化する食べ合わせ
鴨肉+大根
鴨肉は、血液をつくるヘム鉄が豊富に含まれていて、ダイコンに含まれている葉酸といっしょに摂ることで、貧血に対する予防効果が期待できます。
鴨肉のカロリー
※ 可食部(食べられる部分)100g当たりの数値
●マガモ(皮なし・生)・・・128kcal
●アイガモ(皮つき・生)・・・333kcal
●アヒル(皮つき・生)・・・250kcal
●アヒル(皮なし・生)・・・106kcal
鴨肉の食べ方
鴨肉は、鳥肉類の中でもっとも美味しいとされ、和・洋・中の高級食材として利用されています。
和食ではすき焼き・カモ南蛮、洋食ではローストや煮込み料理、中華では焼き物やオードブルなど幅広く使われています。
やわらかくて風味のあるむね肉は、抱き身といわれていて、日本料理では高く評価されています。
鴨肉は、あまり熱を入れすぎると硬くなったり、食感が悪くなってしまいます。
また、加熱しすぎると栄養分が損失してしまうので、焼く場合は調理時間と火力に注意し、煮る場合は最後に加えるようにしたほうがいいです。
金串を指して焼く
皮と肉の間には脂身が多くなっています。
金串などを指してから焼くと、火が通りやすくなり、脂も溶けるので美味しくなります。
カモ南蛮
カモとネギをそばやうどんの具とします。
ネギが南蛮と呼ばれているのは、江戸時代に来日した南蛮人がネギを好んで食べたためといわれています。
カモ鍋
カモ肉とネギやセリなどの食材を入れて、しょう油仕立てやすき焼き風で食べる鍋です。
カモからは良質の出汁が出てコクがあります。
鴨肉の保存法
鴨肉は傷みやすいため、早めに使い切るほうがよく、すぐに食べない場合は、1枚ずつラップで包んで冷凍しておきましょう。