コチの種類と特徴
マゴチの特徴
別称・方言
コチ/ヨゴチ(富山県新湊・四方)・シラコチ(兵庫県明石)・ゼニゴチ(長崎)・クチヌイユ(沖縄)
名前の由来
コチという名前は、骨がかたいのでコツ(骨)といわれていることから由来しています。
特徴
マゴチは、コチ科の海水魚。
本州中部以南の内湾で、外洋に面した、浅海の水深30mより浅い砂泥底に生息しています。
体長は約30~50cmで、小魚やエビ・カニ・イカ・タコなどを食べています。
砂泥にもぐって越冬し、春になると活動を始めます。
産卵期は夏です。
一般的にコチというとマゴチのことを指します。
夏といえば、スズキかコチといわれるくらい、夏を代表する昔ながらの高級魚です。
あまり数が穫れないこともあってか、それほどなじみのない魚かもしれませんが、実は料亭などでよく使われる魚になります。
必ず夫婦いっしょにいる魚であり、オスかメスが1匹釣れるともう1匹釣れるといいます。
メゴチの特徴
特徴
メゴチは、コチ科の海水魚。
南日本各地・東シナ海・黄海に分布しています。
体長は約10~20cmで、水深が100mより浅い、沿岸や内湾などの砂底・砂泥底に生息しています。
甲殻類やゴカイ類などを補食し、産卵期は4~6月になります。
メゴチは、高級魚とは思えないほどの風貌ですが、天ぷらにすると美味しく、やみつきになる味があります。
ネズミゴチの特徴
別称・方言
ノドクサリ/テグリチゴ(千葉)・メナゴ(東京・神奈川県三崎)・ヘタゴチ(新潟)・エゴラゴチ(京都府舞鶴)・カッチョウ(大阪)・テンコチ(兵庫県明石)・メメダレゴチ(広島)・ノドクサリ(徳島・高知)・エグリハゼ(福岡)・ヨドゴチ(熊本)
名前の由来
ネズミゴチという名前は、とがった鼻先と小さな口がネズミに似ていて、姿や生態などがコチに似ているということから由来しています。
特徴
ネズミゴチは、ネズッポ科の海水魚。
新潟県および宮城県以南・南シナ海に分布しています。
体長は約20cmで、うろこはなく、体表にぬめりがあります。
内湾の浅い砂泥に生息し、主に甲殻類やゴカイ類などの小型底生動物を食べています。
産卵期は3~6月になります。
旬は夏で、8月がとくに美味しいですが、冬場は味が落ちます。
コチの旬
旬のカレンダー
コチは、種類によって少しの違いはありますが、6~8月の夏場が旬の時期になります。
7~8月の暑い時期に穫れるマゴチは、照りゴチと呼ばれていて、最高に美味しいとされています。
コチの産地
千葉県内房・福島・九州などが産地です。
年間を通じて流通量が多いのですが、最近は中国から輸入されるものもあります。
コチの上手な選び方
- 目が澄んでいるもの。
- からだや腹にハリがあるもの。
- 身体がふっくら太っているもの。
- 皮がぬめっていると新鮮な証になります。
- 腹が黄色みがかっているものは脂がのっています。
コチは、鮮度が落ちるのが早い魚。
できるだけ新鮮なものを選んだほうがいいです。
コチの栄養と効能
コチは、たんぱく質が豊富に含まれていて、脂肪が少なく、ヘルシーな魚になります。
脂ののりが上品で、肉質は弾力があり、コラーゲンが豊富に含まれています。
カリウムが含まれていて、高血圧の予防に対する効果が期待できます。
EPAやDHAが豊富に含まれていて、がんや動脈硬化を防ぐ効果があるとされています。
その他、マグネシウムやビタミンB2・ビタミンB6なども含まれています。
コチの主な栄養成分
コラーゲン・カリウム・EPA・DHA・マグネシウム・ビタミンB2・ビタミンB6
コチのカロリー
コチのカロリーは127キロカロリーです。(※可食部100gあたり)
カロリーは比較的高いので、ダイエットにはあまり向いていない食材になります。
また、他の魚介類のカロリーは、以下のようになっています。
- タイ・・・177キロカロリー
- アマダイ・・・113キロカロリー
- カマス・・・148キロカロリー
- アイナメ・・・113キロカロリー
- スズキ・・・123キロカロリー
比較すると、カロリーは同じくらいになっています。