かぶの特徴
かぶの原産地は、アフガニスタンにあったアジア系と、地中海沿岸に自生していたヨーロッパ系の2つになります。
日本の東西でアジア系とヨーロッパ系の分布が分かれていますが、その境目が関ヶ原あたりであり、カブララインとも呼ばれています。
ヨーロッパでは長い間飼料とされていたので、野菜として普及したのは16世紀と遅い。
アジア系は中国を経由して渡来し、持統天皇がその栽培を推奨したほどです。
日本書紀にも記述があり、古くから重要な農産物であったことがわかります。
かぶは、色によって赤かぶと白かぶに分けられます。
赤かぶの大半は漬物用で、白かぶは大・中・小の3種類あります。
かぶは、春の七草のひとつで古名を「すずな」といいます。
現在は、長い栽培の歴史で各地に根づきいろいろな品種が生まれています。
かぶの種類
小かぶ | |
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全国で生産されていてもっともよく目にする品種であり、1年中出まわっています。 |
今市(いまいち)かぶ | |
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中かぶで形が丸くきれいであり、千枚漬けや奈良漬けによく使われています。
甘みがあるので、ふろふきなどにも使われています。 |
サラダかぶ | |
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肉質がやわらかく、甘みがあるためサラダなどの生食に向いています。 |
赤かぶ | |
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根や茎全体が鮮やかな赤色をしていますが、赤色はアントシアニンという色素によるものです。
塩漬けなどによく利用されています。 |
温海(あつみ)かぶ | |
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山形県鶴岡市温海地区の伝統品種。
山林の伐採後などで、焼畑農法を用いて栽培されています。 |
天王寺(てんのうじ)かぶ | |
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大阪市天王寺付近の発祥であり、近年は西日本で広く生産されています。
きめ細かでやわらかく、皮も葉も美味しい。 |
津田(つだ)かぶ | |
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島根県の津田町で古くから栽培されている品種。
牛の角形に曲がっていて、主に漬物用になります。 |
暮坪(くれつぼ)かぶ | |
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岩手県遠野地方の在来種であり、かぶとしては珍しい長根の品種。
辛みが強く、薬味や漬け物などに利用されています。 |
飛騨紅(ひだべに)かぶ | |
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飛騨・美濃地方の伝統野菜であり、漬け物としてよく利用されています。
高山名物の赤かぶ漬けは、この品種で作られています。 |
聖護院(しょうごいん)かぶ | |
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4~5kg以上にもなる日本で最大のかぶ。
京野菜のひとつであり、名物の千枚漬けの材料として知られています。 |
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かぶのカロリーに関する記事です。
かぶの旬
旬のカレンダー
かぶは1年中出回っているので旬の時期がわかりにくいですが、春物と秋物があるので旬は2回あります。
春物はやわらかく、秋物は甘みが強くなっています。
どちらかというと、寒い時期に収穫される秋物のほうが美味しくなってますので、旬のかぶを味わい時は秋物を買うのをおすすめします。
かぶの産地
都道府県別収穫量(農林水産省 平成24年統計 参照) |
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千葉県 全国収穫の26.9%の構成比 36,600t |
埼玉県 全国収穫の13.2%の構成比 17,900t |
青森県 全国収穫の6.5%の構成比 8,850t |
かぶの収穫量は、近年、やや減少傾向になっています。
流通の大部分を占めているのは小かぶであり、主な出荷時期は10月~3月です。
周年出荷している千葉県や埼玉県では、まき時に合った複数の品種を使い分けていて、ハウスやトンネル栽培を行って夏季も出荷しています。
かぶは全国各地に在来の品種があります。
名産の漬け物に加工されるなど、その地域内だけで消費されているものが多くあります。
かぶの上手な選び方
- 重量感のあるもの。
- 葉先がみずみずしくピンとしているもの。
- 茎はまっすぐ伸びていて、ハリがあり傷のないものがよく、黄色く変色しているものは避けるといいです。
- 根の表面がツヤのある白色をしているもの(収穫から日がたつと、茎の部分と白い部分とのつなぎ目が茶色く変色してきます)。
- つけ根から細くひげ根が伸びたものが美味しいとされています。