大根の特徴
大根の原産地は、地中海地方や中東。
古代エジプトの時代には、栽培されていたという記録が残っています。
中央アジアや地中海沿岸などに広く分布していますが、今では、生産量・消費量ともに日本が世界一になっています。
日本には、弥生時代に伝わりました。
日本最古の書物である古事記にも記述があり、平安時代には栽培も盛んになっています。
日本では、春の七草のひとつすずしろとして親しまれていて、食卓には欠かせないものとなっています。
大根は、大きく分けてヨーロッパだいこん・中国だいこん・日本だいこんの3つがあります。
在来種と中国だいこんの交配種がつくられ、そこから各地に広まり様々な品種が生まれています。
現在流通しているものは、スマートな形の青首系がほとんどですが、個性的な大根もあります。
夏のだいこんは辛味が強く、おろしやぬか漬けに向いています。
冬のだいこんは甘みと水分が多いので、煮物や鍋物の具に向いています。
だいこんは、一年中販売されているとても身近な野菜。
煮物や酢の物・大根おろし・みそ汁の具・漬け物など、さまざまな料理に使われています。
大根おろしは消化を助ける働きがあるので、魚や肉・卵・天ぷらなどと一緒に食べるといいでしょう。
煮物やおでんに使うときには、米のとぎ汁かひとつまみの米を入れて下ゆでをすると、味がまろやかになり、きれいな白色になります。
繊維に沿って切る
だいこんは、切り方によって味が変わります。
サラダなどでシャキッとした食感を味わいたい時は、繊維に沿って縦に切るといいでしょう。
みそ汁や煮物などにする場合は、繊維に対して横に切ると、早く火が通り味がしみ込みやすくなります。
部位によって使い分ける
だいこんは、葉に近いほど甘みがあり、先端にいくほど辛味が強くなります。
葉に近い部分は、サラダや大根おろしにするとよく、中央部分は煮物、先端部分は薬味にするといいでしょう。
ふろふき大根
ふろふき大根は、大根を大きく切って、茹でたり煮たり蒸したものに練り味噌をかけて食べる料理。
ふっくらみずみずしい大根の持ち味を、よく引き出しています。
いぶりがっこ
いぶりがっこは、秋田県に伝わる大根漬け。
いろりの上につるし、燻製にした大根を米ぬかと塩で漬け込んだものになります。
べったら漬け
浅く塩漬けした大根を米麹の床に漬けたもの。
麹の甘みが強く、カリカリとした歯ごたえが特徴です。
福神漬け
だいこん・なす・なたまめ・れんこん・しょうが・しその実などを刻み、しょうゆを主体とした調味液に漬けたもの。
カレーのつけ合わせとして食べられています。
大根の種類
青首だいこん | |
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土の中で育つ3分の2が白く、土の上に出ている部分が青いです。
寒い冬を超えると甘みが増し、辛さが少なくてみずみずしいです。 サラダや炒めもの・煮物とどんな調理にも合います。 |
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四十日だいこん | |
葉だいこんやかいわれ大根として使いますが、煮物に向いています。 | |
桜島だいこん | |
世界最大の大根で、大きなものは20kgを超えます。
煮くずれぜず、鹿児島県の郷土料理には欠かせないものになっています。 |
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守口だいこん | |
世界最長の大根で、長さは120cm以上ありますが、中には150cmを超えるものもあります。
粕漬けにされた守口漬けが有名。 |
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三浦だいこん | |
三浦半島で古くから栽培されている地域特産野菜。
首のところが細く、根に向かって太くなっています。 たくあんなどに適しています。 |
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練馬だいこん | |
昭和初期までをピークに、徐々に衰退し生産が途絶えていましたが、近年復活しています。 | |
支那青だいこん | |
ビタミンだいこんともよばれ、生食に適しています。
緑の色濃い部分は甘く、白い部分の方は辛みがあります。 |
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紅しぐれだいこん | |
赤だいこんともいわれ、表面は赤紫色を帯びています。
この色は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンによるものです。 |
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味一番 | |
ずんぐりした形で、水分が多く甘みが強い品種。
煮物などに使われています。 |
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黒だいこん | |
皮の部分は真っ黒で、中は白いめずらしい大根。
苦みと甘みがあり、生でも加熱しても楽しむことができます。 |
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亀戸(かめど)だいこん | |
種をまいてから40日でできる大根で、にんじんよりやや大きいサイズ。
浅漬けにすると美味しいです |
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源助だいこん | |
金沢の伝統野菜。
太くて短い形が特徴で、甘みが強くきめ細かい。 煮くずれしにくいので、煮物やおでんに向いています。 |
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おでんだいこん | |
コンビニのおでん用として需要の高い品種。
根の上部から先まで均一な太さなので、輪切りにすると無駄なく使えます。 |
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辛味だいこん | |
辛味が強く、おろしたものを薬味として使っています。 | |
聖護院だいこん | |
京都市の聖護院という寺院周辺で栽培されていました。
煮崩れしにくく、煮物に向いています。 |
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紅芯だいこん | |
中身が紅色でやわらかく甘みがあります。
彩りを生かすには、生でサラダにしたり大根おろしにするといいでしょう。 |
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レディサラダ | |
三浦だいこんを元にサラダ用に作られた大根。
皮ごと食べることができ、サラダや浅漬けにすると彩りがいいです。 |
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ラディッシュ | |
ヨーロッパから入ってきた大根。
二十日だいこんと呼ばれるほど成長が早いです。 表面は鮮やかな赤色をしているのが特徴で、サラダなどの彩で使われることが多いです。 |
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かいわれだいこん | |
だいこんの芽を早摘みしたもので、ビタミンEを含んでいます。 |
大根の旬
旬のカレンダー
大根の旬は11月~3月であり、冬に甘みが増して美味しくなります。
だいこんの産地
都道府県別収穫量(農林水産省 平成24年統計 参照) |
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北海道 全国収穫の11.6%の構成比 170,500t |
千葉県 全国収穫の10.6%の構成比 155,200t |
青森県 全国収穫の8.2%の構成比 119,900t |
大根は、生産量トップの野菜。
春だいこん(4月~6月)・夏だいこん(7月~9月)・秋冬だいこん(10月~3月)と周年出荷されています。
春だいこんと秋冬だいこんは、温暖な千葉・神奈川・宮崎県などで生産されています。
夏だいこんは、冷涼な北海道や青森県などでの生産が盛んになっています。
現在では、伝統野菜が静かなブームになっていて、復活した地方品種なども現れています。
大根の上手な選び方
- ハリとツヤがありずっしりと重たいもの。
- ひげ根が縦1列に並んでいるもの。
- 切り口がスカスカしていないもの。
- 葉の色が鮮やかな緑でみずみずしいもの。
- 葉なしで売られているものは、葉の付け根をチェックするといいでしょう。 黄色く変色しているものは日がたっている証拠になります。
だいこんの保存法
だいこんは、葉から水分がどんどん蒸発していくので、葉と根は切り分けて保存するといいでしょう。
乾燥しないように切り口をラップで包み、保存袋や新聞紙に包んで冷蔵庫に入れてください。
冷蔵庫か常温で解凍すれば、焼き魚に添えたり、じゃこおろしなど、手軽に使うことができます。
冷凍する場合は、大根をおろしてから水分をしっかり切り、ラップで巾着包みにしてから保存するといいです。
干すと水分がぬけ、うま味が凝縮され、栄養価が上がります。
むいた皮を細切りにして、切り干し大根にすると美味しいです。
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