そら豆の特徴
そら豆は、世界最古の農作物の一つ。
原産地は、北アフリカや西南アジアであり、アジアに伝わってから中国で栽培が始まり、日本へは8世紀ごろに伝わったとされています。
日本では、明治以降、味噌の原料や米の代用にするなど、貴重な食べ物として活用されてきました。
そら豆は、さやが上を向いて実るため空豆と書きます。
蚕(かいこ)を養殖している初夏にそら豆を食べていたとか、さやの形が蚕に似ているのが理由で蚕豆とも書きます。
10月にタネをまくと、3月になってようやく開花しますが、その花はスイートピーに似てとても美しい。
塩でゆでて食べる未熟豆と、煮豆や甘納豆にする完熟豆があります。
そら豆は、皮つきのまま煮たものをおたふく豆、皮を取り除いて煮たものをふき(富貴)豆といいます。
香川の讃岐(さぬき)の郷土料理であるしょうゆ豆は、煎った豆を、しょうゆや砂糖・トウガラシなどを合わせた調味液につけたもの。
また、油で揚げて塩味をつけたものがフライビーンズ。
中国料理の豆板醤(トウバンジャン)は、そら豆と味噌や唐辛子を合わせてつくられたものになります。
鮮やかな黄緑色をしたそら豆。
料理を彩る事ができるので、かき揚げや炊き込みご飯などにすると、とてもきれいな色合いになります。
スープや煮物などにすると美味しいですが、さやごと焦げ目がつくほど焼いて、豆を取り出して食べる「焼きそら豆」が人気です。
さやのまま焼くと、豆が中で蒸し焼きにされますが、切れ目を入れると熱が逃げてしまうので、そのまま焼いたほうがいいでしょう。
出始めの頃のそら豆は、この部分の色が薄くてやわらかになります。
熟しきったものや終わりに近づいた時期に採れるものは、黒くなっています。
黒く完熟した豆は、食感はかためですが味は濃厚なので、スープなどに適しています。
そら豆のゆで方
そら豆は、たっぷりのお湯を沸かし、塩と酒を少々入れてゆでます(酒を入れることで青臭さがやわらぎます)。
ゆで時間は2分程度がよく、ゆですぎは禁物。
ザルにとって自然に冷ます(少しかためぐらい)といいでしょう。
ゆでた豆は、おはぐろの部分から皮をむきます。
口当たりが気になる芽は、包丁でV字に切れ目を入れて取り除いでください。
ゆでたものを、おつまみとしてそのまま食べると美味しいです。
また、そら豆ごはんや、裏ごししてからスープ・炒めもの・天ぷらにしてもいいです。
そら豆は、さやから出して空気に触れるとすぐに鮮度が落ちます。
なるべくさやに入ったものを買い、ゆでる直前にさやから出しましょう。
そら豆の旬
旬のカレンダー
そら豆の旬はだいたい4~6月ごろになりますが、産地によって多少変わります。
四国地方では4月下旬から5月、関東地方は4~6月、寒冷地方では6~7月ごろが旬になります。
そら豆は、スーパーや八百屋さんに陳列されている期間は短く、季節や旬を感じることができる夏野菜。
温暖な鹿児島では、年末の時期から出荷されています。
そら豆の産地
都道府県別収穫量(農林水産省 平成24年統計 参照) |
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鹿児島県 全国収穫の29.2%の構成比 4,990t |
千葉県 全国収穫の15.0%の構成比 2,570t |
茨城県 全国収穫の8.9%の構成比 1,520t |
そら豆の産地は、暖かくなるにつれて、鹿児島から愛媛、千葉、宮城、青森、北海道と、産地が北上していきます。
豆が大きい品種と小さい品種がありますが、皮がむきやすいことから、最近では大きいほうが好まれています。
そら豆の上手な選び方
- さやの緑色が濃くハリとツヤがあるもの。
- うっすらと白いうぶ毛がついているものは新鮮です。
- 外から見て豆の形がそろっているものは、きちんと育っています。
- さやから出すとすぐに鮮度が落ちてしまうので、さやから出して売られているものは避けたほうがいいでしょう。
そら豆の保存法
そら豆は、鮮度が落ちやすいです。
ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存したら、できるだけ早く使い切ってください。
すぐに食べない場合は、かためにゆでると冷凍保存することができます。
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