アジの種類と特徴
マアジの特徴
別称・方言
アジ、メダマ(東京)・ジンタ、ノドグロ(神奈川)・アヂジャコ(三重・和歌山)・トッカアジ(和歌山)・マルワリ(兵庫県神戸)・トッパクアジ(高知)・キンべアジ(鹿児島)・ガソン(奄美)・ミンチヤ(沖縄)
名前の由来
真に美味しいアジという意味から。
特徴
マアジは、アジ科の淡水魚。
最も普通に見られるアジ科の一種であるために、一般には単にアジとも呼ばれています。
日本各地や東シナ海・朝鮮半島に分布しますが、体長は約40cm。
温暖性で群れをなす沿岸回遊魚で、大群で春から夏に北上し、秋から冬に南下します。
浮遊性の小型の甲殻類や動物プランクトン・小魚などを食べます。
産卵期は回遊魚のため地域差がありますが、3~6月頃であり、マアジの旬は夏。
市場には1年を通して流通し周年取れる魚ですが、漁獲量が多いのは春と秋で、需要が多く近年は養殖も行なわれています。
マアジは、食用または干物の材料とされ、日本で水揚げされるアジ類の約90%を占めています。
食べ方
鮮度の良いものは、刺身やたたき・寿司だねなどにすると美味しい。
その他、塩焼きや煮つけ・揚げもの・酢のもの・南蛮漬けなど、幅広い料理に用いられています。
干物にしたり、中身を揚げて骨せんべいにしてもいいです。
シマアジの特徴
別称・方言
オオカミ(東京)・ソジ(和歌山県串本)・コセアジ(高知)・アブラカマジ(奄美)・ヒラアジ(熊本)・カツオアジ(鹿児島)・オーガシ・ソウジ(沖縄)
名前の由来
体の中央部に黄色の縦帯があることや、黒潮の影響の強い沿岸や島々の周辺で多く穫れることからなどから。
特徴
シマアジは、アジ科の海水魚。
本州中部以南や東部太平洋を除く全世界の暖海に分布。
体長約80~100cmに達し、体の背側は青く腹側は銀白色。
岸近くから水深200メートルまでの中下層に生息し、昼行性で夜は頭部を斜め下に向けてゆっくりと遊泳します。
伊豆諸島をはじめ各地で養殖が行なわれていますが、天然物とは体色が違い、体型も太めになっています。
現在では、ニュージーランドからの輸入物も増えてきています。
シマアジの旬は夏。
魚類やイカ類を食べています。
アジ科の中でもっとも味が良いといわれ、刺身やすし種として人気があります。
食べ方
新鮮なものは刺身がよく、やや厚切りにすると、ほどよい甘みと歯ごたえを楽しめますが、焼き物や煮つけなどにしても美味しいです。
マルアジの特徴
別称・方言
マル(東京)・アカムロ、ムロアジ(和歌山県田辺)・シムロ(高知県室戸)・ガツン、ナガウオ(沖縄)
名前の由来
体の断面がまるみを帯びていることから。
特徴
マルアジは、アジ科の海水魚であり、ムロアジ類の一種で、アオアジと呼ばれることもあります。
南日本から東シナ海にかけて分布。
体長は約30~40cmで、沿岸から沖合の表層や中層を群れをつくって泳ぎまわります。
おもに小型の甲殻類や魚類などを食べていて、旬は夏。
食用とされ干物に加工されますが、漁獲量が多くマアジよりも安いです。
食べ方
新鮮なものは刺身やたたきなどにするといいですが、塩焼きや煮つけにしても美味しいです。
ムロアジの特徴
別称・方言
アカゼ、モロ(東京)・アジサバ(富山)・アヲアジ(広島)・モロアジ(長崎)・オホムロ(三重県尾郭島・和歌山県辰ヶ浜)・セイメイ(高知県室戸)・ウルメ(鹿児島)・メナガムロ(屋久島・種子島)・イリチミジュン(沖縄)
名前の由来
播州室津で多く穫れたことや伊豆の地名などから。
特徴
ムロアジは、アジ科の海水魚。
南日本や東シナ海に分布。
体長25~45cmほどであり、体はマアジより体高が低く、断面は丸みを帯び筒形で細長いです。
やや沖合に群れをなして住んでいますが、5~6月の産卵期には接岸し、おもに動物プランクトンを捕食しています。
食べ方
鮮度が落ちやすく、多くは干物や練り製品の材料になります。
また、カツオ節のようなだしの材料としても加工されています。
伊豆諸島の特産品であるくさやの干物は、このムロアジを独特の塩汁に漬けて天日干しにしたものです。
メアジの特徴
別称・方言
カメアジ(三重・和歌山)・トツバクアジ(高知)・アカアジ(鹿児島)
名前の由来
眼が大きいことから。
特徴
メアジは、アジ科の海水魚。
南日本および世界各地の暖海に分布。
体長20~25cmほどで、マアジやムロアジよりもやや小形で眼が大きいです。
沿岸の浅場から水深170メートルほどの海域に群れをなして住み、動物プランクトンや甲殻類を捕食します。
食べ方
塩焼きや煮つけなどにすると美味しい。
マアジと同じく開き干しなどに加工されます。
アジの特徴
名前の由来
アジという名前の由来はいろいろありますが、味がいい事からだという説がもっとも多いです。
特徴
アジは、全世界の熱帯・温帯海域に多くの種類がいますが、日本近海には50種類以上生息しています。
体の側面にぜんご(ぜいご)と呼ばれる、固いトゲのようなウロコが並んでいるのが特徴。
イワシなどと同じく値段が安いので、家庭でもっともよく食べられている魚のひとつであり、昔から日本の代表的な大衆魚とされてきました。
食べやすくて美味しいので人気があり、塩焼きや煮つけ・タタキなど調理方法も多いです。
最近では、輸入物や養殖物が増え、旬が消えつつある魚のひとつですが、近海物は四季によって味がはっきりと変わってきます。
アジの旬は夏であり、気温とともに美味しさが増すので、旬の時期には新鮮な刺身にすると格別の味がします。
アジには、マアジやシマアジ・マルアジ・ムロアジなどの種類がありますが、一般的に食べられているのはマアジ。
大漁の時には一匹100円以下の時もあります。
また、脂が乗りワンランク上のアジとして重宝されているブランドのものもあり、1000円以上の高値がつくこともあります。
アジは、脂肪とうま味をたっぷりと含んだ独特の味と、ふっくらとした身が日本人に好まれている魚。
イノシン酸やグルタミン酸などのうま味成分が豊富に含まれているので、とても美味しいです。
「アジは味に通ず」といわれるほど肉質にはクセがなく、刺身や塩焼き・煮物・揚げ物など家庭での利用範囲が広いです。
ブランドアジは、佐賀関の関アジ・宮城県の灘アジなどが有名になります。
関アジ
関アジは、高級ブランドとして認知されていて、大分県佐賀関産のもの。
漁師による一本釣りで獲れた魚であり、身が引き締まっていて、旬は3月~10月で刺身が美味しいとされています。
アジの食べ方
アジにはさまざまな調理法がありますが、アジといえば「たたき」がもっとも有名。
皮をはぎ3枚におろしたアジを細切りにし、刻みネギといっしょに軽くたたいて、ショウガとしょうゆで食べます。
また、たたきにおろしショウガや味噌を混ぜたものを「なめろう」といい、生臭さが消えるので、魚が苦手な人にもおすすめです。
マメアジ(小型のマアジ)は、丸揚げやマリネにし、骨まで食べればカルシウムを残さず補給することができます。
アジの調理で残った中骨は唐揚げにすることができ、頭は煮付けなどに利用できるので、余すことなく食べることができます。
アジの塩焼き
あじの塩焼きは、あじに塩をふって焼いたシンプルな料理。
ご飯のおかずやお酒のつまみなど、何にでもよく合います。
あじの美味しさを十分に味わうことができるので、とても人気があります。
アジを塩焼きにする場合は、1匹に対して塩小さじ1が目安。
半量を魚の両面にふってしばらくおき、水気とくさみをふいてから残りの塩を両面にふると、ちょうどいい塩加減になります。
アジの干物
アジの干物は、アジを開いて内臓を取り、塩水につけて干したもの。
新鮮なものは、透明感があり表面にツヤがあります。
栄養価に優れ、カルシウムが豊富であり、保存性が高く、そのまま焼いて食べることができます。
くさや
くさやは、魚を塩につけた時に出る塩汁を使って発酵させたくさや汁につけ、天日に干したもの。
臭い食べ物の代表としてよく紹介されます。
長い歴史をもつ食品であり、江戸時代には献上品とされていた記憶が残っています。
現在では、伊豆諸島で製造されていて、特に新島と八丈島で盛んです。
くさやは、ふつうのアジの干物に比べて、カルシウムや鉄・カリウム・リン・亜鉛・マグネシウムなどのミネラル類が圧倒的に含まれているのが特徴。
くさやの匂いや味はそれぞれ差があり、秘伝として代々受け継がれています。
調理する際には強烈な臭気が拡散するので、近所迷惑にならない様に注意する必要があります。
アジの旬
旬のカレンダー
アジは、1年中出回っていますが、初夏が旬であり、産卵期が美味しいです。
また、九州 → 西日本 → 東日本 と北に行くほど旬の時期は遅くなります。
小アジは内湾や防波堤でも手軽に釣れるので、夕涼みをかねて釣り糸をたらす人の姿が夏の風物詩のひとつになります。
アジの産地
農林水産省(平成24年漁業・養殖業生産統計)参照 |
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長崎県 全国漁獲の29.6%の構成比 46,900t |
島根県 全国漁獲の19.8%の構成比 31,300t |
福岡県 全国漁獲の4.9%の構成比 7,700t |
アジは、長崎や島根・福岡県など、北九州付近の海域において多く獲れています。
アジの上手な選び方
- 目が澄んでいるもの。
- 皮にツヤがあり青びかりをしているもの。
- 脇腹が引き締まっていて、身が太っているもの。
- 天然のいいものは、尾ビレがきれいな形でピンとしています。
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