にんにくの特徴
にんにくは、中央アジア原産で、中国では2000年以上も前から栽培されてきました。
古代エジプトではピラミッドを作る労働者たちに、スタミナ剤としてにんにくを与えていたといわれています。
日本に伝わったのは平安時代で、強い強壮効果を持つ薬用植物として利用されてきました。
ただ、においを嫌う仏僧や公家・武士など仏教思想のもとでは、食することを禁じられていました。
薬草としてではなく、中華料理や西洋料理の香辛料として広まったのは、昭和になってからのことです。
食用にするのは地下茎が肥大した部分であり、若い花茎がにんにくの芽になります。
生のにんにくは刺激が強いです。
一度に多く食べ過ぎると、胃炎や下痢などの胃腸障害を起こすことがあるので、注意が必要になります。
生の状態であれば1日1片程度が良く、加熱したものであれば1日1~2片程度にしてください。
にんにくを、薬味や調味料にする場合はすりおろすとよく、炒めものや煮物には、みじん切りかうす切りにしたほうがいいでしょう。
切ったりつぶしたりすると香りが出てくるので、香りを強調したい時には、細かく切るかつぶしてください。
にんにくの香りが出る前にほかの食材を加えると、にんにくのいやな臭いがして味を損ねます。
まな板ににんにくの香りが移るとなかなか落ちないので、かまぼこの板をにんにく専用の小さなまな板にして、その上で切るという方法もあります。
にんにくは、和・洋などさまざまな料理に使われている食材。
すりおろしてカツオのたたきの薬味や、パンにつけてガーリックトーストなどにすると美味しいです。
香味野菜であるにんにくは、肉料理との相性がいいです。
肉特有の臭みを消したり、香りづけをするなど、肉のにおいが苦手な人にはもってこいの食材になります。
また、香りが食欲を誘うので、食欲増進効果などもあります。
にんにくを炒める時は、焦がさないようにする必要があります。
焦がしてしまうとせっかくの風味が台無しになるので、火をつける前のフライパンに、油といっしょに入れてください。
また、にんにくの芽は焦げやすいので、取り除いたほうがいいでしょう。
にんにくに含まれている栄養素は熱に弱いのが欠点なので、栄養を重視する人はすりおろしたものを活用するほうがいいでしょう。
おろしにんにくを加えたタレを料理にかけたり、食材を漬けたりと活用方法は幅広いです。
にんにくのみじん切りを、油に2・3日漬けておくとガーリックオイルができます。
毎回、にんにくのみじん切りを油につけて、香りづけをする手間が省けるので便利です。
うす切りのにんにくをつけておいたしょう油は、焼肉のタレに最適。
にんにく自体を味わうには、蒸して漬け物にするといいでしょう。
これは、にんにくの香り成分が分解されて、鉄と反応するためだといわれています。
からだに害はないので、そのまま食べても大丈夫。
にんにくの芽
茎にんにくともいい、中国ではよく使われています。
球根よりも香りがやわらかで甘みがあり、炒めものや煮物に使われています。
にんにくしょうゆ漬け
にんにくを1片ずつ切り離して、薄皮をむいたものをしょうゆに漬けたもの。
香りが移ったしょうゆは調味料として、にんにくは刻んで薬味用として使います。
フルーティにんにく
にんにくを熟成発酵させたもので、真っ黒な色が特徴。
にんにく臭は消えていて甘酸っぱいです。
プチにんにく
中の粒が分かれていない、一粒タイプの小型にんにく。
中国産で、においは大型タイプのものと比べると、やわらかいのが特徴です。
草聖(そうせい)にんにく
発芽させたにんにくの茎と、玉の部分の両方を食べることができる品種。
生で薬味にしたり、炒め物や餃子の具に向いています。
にんにくの旬
旬のカレンダー
にんにくは、中国産が1年中出回っていますが、旬は5月~7月。
にんにくの産地
都道府県別収穫量(農林水産省 平成24年統計 参照) |
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青森県 全国収穫の67.7%の構成比 13,600t |
香川県 全国収穫の3.7%の構成比 736t |
宮崎県 全国収穫の2.3%の構成比 460t |
国内での生産は青森県が圧倒的に多く、ブランド化されたにんにくが有名です。
にんにくの上手な選び方
- 全体的に白くふっくらとしているもの。
- 粒が大きくハリがあり、持った時に重いもの。
- 黄色く変色したものは古いです。
- 新にんにくの場合、表面の皮が赤いものがありますが、味に影響はないです(皮をむけば中身は白いです)。
- お尻の部分がカラカラに乾燥しているもの(ただし軽くて外皮と身にすき間があるものは、水分が抜けすぎになります)。
にんにくの保存法
にんにくをネットに入れ、風通しのよい冷暗所などに吊るしておくと、2ヶ月くらいは保存できます。
皮をむいたものはラップで包み、冷蔵庫に入れておきましょう。
また、1片ずつに分けてから薄皮を残して冷凍しておくと、さまざまな料理に使うことができ便利です。
使うときは、凍ったまま根の部分を切り落とし、切り口から薄皮をむくといいでしょう。
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