鮭の種類と特徴
シロザケの特徴
別称・方言
アキアジ、オオスケ、シロ、シロザケ、トキシラズ、ナツザケ、ピン(北海道)・サケノオ(仙台)・イオ、イヨボヤ(新潟県村上)・サケノイオ(石川・富山)
名前の由来
シロザケの名前の由来には、以下のようなさまざまな説があります。
●アイヌ語のサク・イベ(夏の食物)というのがなまったもの。
●他の魚に比べて身が裂けやすいので裂から生じている。
●海から川へ逆さまにのぼること。
特徴
シロザケは、北海道から九州北部までの日本海沿岸の河川・利根川以北の太平洋岸の河川・朝鮮半島北部から北太平洋・北極海・カリフォルニア州北部の河川まで回帰します。
体長は約60cm・2~3kg前後のものが多くなっています。
北海道からサハリン・カムチャッカ方面などで漁獲されています。
シロザケの旬は、秋から冬。
川をさかのぼる前の河口に近い海で穫れたものが、脂があり最上とされています。
日本で鮭と呼ぶ場合、たいていはシロザケのことになります。
食べ方
シロザケは、捨てるところがない魚。
脂肪分が少なくさっぱりとしていて、さまざまな料理に合います。
切り身にして、塩焼きや照り焼き・フライ・マリネなどにすると美味しいです。
ベニザケの特徴
別称・方言
ベニマス、ベニジャケ、カバチェップ(北海道阿寒湖)・カバチェッポ(北海道)・ヒメマス(青森・秋田)・サケ(福島県猪苗代湖)
名前の由来
肉の色が紅色なことから。
特徴
ベニザケは、サケ科の回遊魚。
千島列島から北アメリカ西岸にかけての北太平洋海域に分布。
体長は約60~90cmで、産卵期になると紅色の婚姻色になります。
主に甲殻類・魚類・イカ類を食べていて、缶詰や燻製に加工されています。
サケ・マス類の中で、ベニザケは取引価格が最も高価であり、世界的に珍重されています。
ベニザケの肉は、サケ類の中で最も赤色が濃く、脂肪分が多いです。
日本でもっとも好まれる鮭であり、ほとんどがアラスカやカナダなどから輸入されています。
食べ方
サケ類の中で最も赤色が濃く、加熱しても色があせないです。
脂肪分が多く、ステーキや照り焼き・鍋もの・マリネにすると美味しいです。
ギンザケの特徴
別称・方言
ギン、ギンマス、ケイジ(北海道)・ボタンコ(秋田県男鹿)・アマメ(富山)
名前の由来
腹が銀白色なことから。
特徴
ギンザケは、日本海・カムチャッカからカリフォルニアにかけての北太平洋に分布。
体長は約20~30cmですが、降海型は70cm以上にもなります。
旬は秋から冬で、8月下旬から9月にかけて河川をさかのぼり、中流域で1000~6500個の卵を2、3回に分けて産みます。
缶詰や燻製に加工されています。
味がいいことから、近年では各地で養殖や放流が行なわれていて、かなりの成果をあげています。
チリからの養殖物の輸入品が多く、年間を通して販売されています。
食べ方
ソテーやムニエル・焼き物にすると美味しいです。
カラフトマスの特徴
別称・方言
セッパリマス、マス、ラクダ(北海道)・ホンマス(北海道東部・根室)・ネコマス(弘前)
特徴
カラフトマスは、北太平洋に広く分布していて、体長は約50cm。
春に海へ降りるカラフトマスは、オホーツク海沿岸の定置網で漁獲され、夏から秋に河川をさかのぼるものは、河口付近で漁獲されています。
カラフトマスは、たくさん獲れるので安価です。
脂が少なく赤みは弱いので、缶詰などに加工されています。
ニジマスの特徴
別称・方言
ギンスケ、ショマ、スチールヘッド、ホンマス(福島県猪苗代湖)
名前の由来
英名:レインボウ・トラウトを直訳したもの。
雌雄ともに、20cm前後になると体側に虹色の帯が出ることから。
特徴
ニジマスは、サケ科の淡水魚。
アメリカからの移殖種で、原産地は北米大陸のカリフォルニアからアラスカにかけての河川になります。
日本では養殖されているほか、本州中部以北や北海道の河川の一部で自然繁殖が見られています。
体長は約20~45cmほどですが、降海型は1.2mにも達しています。
ニジマスの旬は夏。
昆虫や貝類・小型甲殻類・小魚などを貪欲に捕食しています。
近年、輸入量が増加している魚ですが、国内でも養殖されています。
食べ方
塩焼きやバター焼き・ホイル焼き・ムニエル・フライにすると美味しいです。
色が美しく美味しいため、寿司ネタとしてよく使われています。
鮭の特徴
鮭は、川で生まれ、海に下って数年かけて大きくなります。
産卵期に生まれた川に戻り、産卵してその一生を終える魚です。
世界の漁獲量のおよそ3分の1が日本で消費されています。
鮭は、種類が多く、日本で最も多く穫れるシロザケやギンザケのほか、身が最も赤いベニザケなどがあります。
サーモン・シャケ・トキシラズ(産卵期以外の時期に獲れる季節外れの鮭の呼び名)等、様々な別名があります。
サーモンは、回転寿司などで人気のネタになっています。
鮭は、古くから愛されてきた魚であるため、保存方法も発達しています。
中でも定番なのは塩漬けであり、内臓を除いたサケを甘塩で漬けた新巻(あらまき)・新巻鮭(あらまきざけ)は有名です。
主に北海道産を指していて、お歳暮や正月の贈答品とされることが多いです。
鮭は、寄生虫がいるおそれがあるため、基本的に生で食べるのは避けたほうがいいでしょう。
ただ、ノルウエーの厳しい管理下で養殖されたアトランティックサーモンは、生食が可能になっています。
鮭は、クセがなく調理のしやすさや食べやすさで、魚介の中でも人気ナンバーワン。
身以外にも、卵であるスジコをはじめ、心臓や肝臓・頭部まで食べられていて、骨からは出汁がとれるので、鍋に入れても美味しいです。
アイヌ民族は神がくれた魚と呼んでいたそうですが、それは捨てるところがほとんどなかったからだそうです。
鮭は、塩焼きや照り焼き・みそ漬け焼きやムニエル・鍋・スモークなど、いろいろな料理を楽しむことができます。
パリっと焼いた皮は美味しいうえ、ビタミンB2が豊富なので、残さず食べたほうがいいでしょう。
鮭独特のにおいが気になる時は、塩を少々ふって少しおいてから、出てきた水分をキッチンペーパーなどでふきとり、酒をふりかけてから調理しましょう。
イクラ
イクラとは、鮭の卵のこと。
塩漬けや醤油漬けにして食べられています。
語源はロシア語であり、「魚卵・小さくて粒々としたも」のという意味になります。
鮭児(けいじ)
鮭児は、国内で秋の産卵の時に穫れる未成熟の鮭のことで、超高級魚。
魚体いっぱいに脂がのっていて、全身がトロのようです。
高級寿司のネタに使われていますが、少ししか穫れないので希少品です。
スモークサーモン
スモークサーモンとは、塩漬けした鮭を燻煙乾燥して、燻製(くんせい)にしたもの。
日本ではベニザケが使われることが多く、サラダやマリネによく使われています。
キングサーモン
サケ科の中でもっと大きく、2mほどにもなり、脂肪が多く美味しいです。
三陸沖で少量漁獲されますが、多くは輸入物。
石狩鍋
石狩鍋は、鮭を主材料とし味噌で調理した鍋料理。
塩漬けしていない生鮭を使用しています。
北海道の郷土料理として有名です。
ちゃんちゃん焼き
鮭などの魚と野菜を鉄板で焼いた、北海道の漁師町の名物料理。
粕漬け
白みそなどで味つけした酒粕に、塩鮭を漬けたもの。
発酵作用で栄養とうま味が増しています。
生鮭
生鮭は、塩をふっていない生の鮭のこと。
好みの塩加減で調理することができるので、ムニエルのほか、煮物や揚げもの・味噌漬けと調理全般に使えます。
水分が多く、身くずれしやすいので、小麦粉をまぶして焼くのがおすすめです。
加熱し過ぎるとパサパサになりやすいので、注意が必要になります。
塩鮭(甘塩鮭・銀鮭)
塩分濃度約3%に処理した鮭。
下味がついているだけでなく、余分な水分が抜けています。
鮭独特のくさみをなくし、うまみがアップしています。
揚げものや天ぷら・蒸し物・ホイル焼き・鍋ものなど、幅広く使えます。
塩鮭(中辛口・紅鮭)
塩分濃度4%ほどで下処理した鮭。
5%のものは、辛口と表示されています。
塩分が生かせるごはんの友として、おにぎりの具やチャーハン・ふりかけ・お茶漬けなどに使うことができます。
鮭の旬
春から夏にかけて、日本近海を回遊して捕獲されるトキシラズは、脂がのってとても美味しいので、重宝されています。
鮭の産地
農林水産省(平成24年漁業・養殖業生産統計)参照 |
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北海道 全国漁獲の87.7%の構成比 112,700t |
岩手県 全国漁獲の6.0%の構成比 7,700t |
青森県 全国漁獲の2.6%の構成比 3,300t |
鮭の産地は、圧倒的に北海道が多くなっています。
国内以外だと、アラスカやカナダ・ノルウエーからの輸入品が多いです。
鮭の上手な選び方
- うろこが銀色でツヤがあるもの。
- 表面に黒い斑点がないもの。
- 身は鮮やかなオレンジ色のもの。
- 血が流れ出ている場合は、いたんでいる可能性があるので避けたほうがいいでしょう。
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