カツオの種類と特徴
カツオの特徴
別称・方言
ホンガツオ、マガツオ/オオカツ(宮城)・カギカケガツオ(伊豆)・タテマダラ(島根)・オオガツオ(高知)・ガラ(鹿児島)・ヤマトガツオ(沖縄)
名前の由来
カタウオ(堅魚)・・・乾燥すると極めて硬くなるということから由来。
特徴
カツオは、サバ科の海水魚で、世界各地の熱帯から温帯海域に広く分布。
日本では太平洋岸と九州西岸に多く、典型的な回遊魚。
3~8月頃、黒潮に乗って日本海を北上しますが、夏には北海道の太平洋岸でも見られます。
体長は約1mで、表層を大群で回遊し、イワシ類やイカ類などを食べています。
亜熱帯海域では春から初夏にかけて産卵しますが、赤道海域ではほぼ周年に渡って産卵しています。
近年では、1年を通して市場に出回っているので、旬の味わいも薄れつつあります。
カツオは、古くから日本人とかかわりある魚。
縄文遺跡にカツオが食用にされた形跡が残っています。
初夏を告げる縁起物として、江戸っ子が最も親しんだという初ガツオですが、現在でもその人気は健在。
脂ののった秋の戻りガツオも濃厚な美味しさがあり、こちらを好む人も多いです。
現在、一番食べられているのは本ガツオ(カツオ)。
釣りの魚としても人気が高く、一本釣りやフカセ釣り・ルアー・フライ・トローリング等、様々な釣り方があります。
ほどよい脂肪とうま味成分たっぷりのカツオ。
新鮮なものならタタキで食べるが一番です。
和風なら、細ネギやショウガ・青ジソ・ミョウガ・ニンニクなどをせん切りにします。
たっぷり使うと風味がよく、臭みも消え食欲がアップします。
洋風なら、ニンニクを効かせたオリーブ油でつくったドレッシングに、ハーブがよく合います。
刺身があまった場合は、照り焼きなどにするといいでしょう。
手こね寿司
醤油を中心としたタレに漬け込んだ後、寿司飯と合わせて食べる、ちらし寿司の一種。
削り節
削り節は、鰹節やカツオ・サバ・イワシ・マグロ等の干し魚を薄く削ったもの。
日本食の調味料の基礎であり、出汁の素材として、昆布などと共に欠かせないです。
うま味成分のイノシン酸を多量に含有し、ビタミンB群などの栄養分を豊富に含みます。
昆布といっしょにだしを取ると、昆布のグルタミン酸との相乗効果で、だしがさらに美味しくなります。
削り節を佃煮にしたものや、醤油であえたものはおかかと呼ばれています。
削り節の風味は揮発性であり、空気中で急速に失われるので、削りたてのものほど風味が高いです。
かつては、日本の各家庭にかつお節削り器があり、使用する直前に削っていました。
現在では、節の状態で売られることは少なく、薄いスライス状に削られたものに窒素を入れ、気密パックの状態で小分けした削り節が主流です。
かつお節
カツオの身を加熱してから乾燥させた日本の保存食品。
加工工程の差異によって名称が異なります。
たんぱく質がアミノ酸に分解されることで、うま味のもとになるイノシン酸が増加し、よいだしが取れるようになります。
かつお節は、生のカツオよりも鉄の含有量が2倍以上になるので、貧血気味の人にはおすすめ。
枯節
伝統的な枯節は、土佐や薩摩・阿波・紀伊・伊豆など、太平洋沿岸で多く生産されてきました。
カビを生やした枯節には、うま味成分やビタミン類が他の鰹節より多く含まれているので、高級品として扱われています。
ハガツオの特徴
別称・方言
キツネカツオ・キツネガツオ/ボウサン(千葉)・スゲ・トウザン(神奈川)・スシガツヲ(富山)・ヤナギガツオ(大阪府堺)・サバガツオ(長崎)・ハアガツ(沖縄)
名前の由来
ハガツオは、体形がカツオに似ていて、カツオより強く大きい歯があることから。
特徴
ハガツオは、サバ科の海水魚で、本州中部以南・インド、西太平洋域に分布。
カツオに似た体形で、体長は約50cm~1m。
イワシやサバ・アジ等を捕食しています。
夏季に産卵しますが、その生態はまだ調査が十分に進んでいないです。
食べ方
身はやわらかく、カツオより味は落ちますが、旬の鮮度のいいものは刺身にすると美味しい。
また、塩焼きや照り焼きなどにしてもいいでしょう。
スマガツオの特徴
別称・方言
タイワンヤイト・ヤイト/ワタナベ(千葉県勝山)・スマガツオ(東京)・ヤワラ(三重)・ヤイトマス(和歌山)・オボソ(愛媛)・オボソガツオ(鹿児島)
名前の由来
縞(シマ)が転じてスマになったことから。
特徴
スマガツオは、サバ科の海水魚。
インドや太平洋域の暖海に分布。
日本では、本州中部以南の沿岸域、特に南日本に多く分布しています。
魚類や甲殻類・頭足類などを食べていて、沿岸から沖合にいます。
普通は体長約50~80cmですが、1mに達するものもあります。
カツオやシイラ・マグロなどのフカセ釣りや、トローリングなどに掛かることがあります。
姿・形はヒラソウダガツオに似ていますが、本種のほうがはるかに体高があり、大型。
流通量は少なく、刺身や焼魚などで食べられています。
マルソウダガツオの特徴
別称・方言
マルガツオ(秋田県象潟)・フクライ(宮城)・マンダラ(神奈川)・スンポウ(福岡)・デブガツヲ(富山県生地・新湊・四方)・ミーヂカー(沖縄)・タニガツオ(和歌山県田辺)・マルメジカ(高知)・スポタ(鹿児島)
名前の由来
マル・・・体の断面が丸いこと。
ソウダガツオ・・・群れを作り波しぶきを立てて小魚を取ることから、騒々しく騒ぐカツオということ。
特徴
マルソウダガツオは、サバ科の海水魚。
ヒラソウダガツオと合わせてソウダガツオとも呼ばれています。
南日本各地や世界中の温・熱帯海域に分布していて、体長は約30~55cm。
群れをなして表層を泳ぎ、内湾などに入り込み、イワシなどの魚類を食べています。
カツオとはいうものの、サバに似た体形をしています。
血合い肉が多いのでいたみやすく、生で食べると中毒を起こすことがあります。
鮮魚よりも、宗田節や濃厚な麺つゆの原料として使われています。
ヒラソウダガツオの特徴
別称・方言
ソウダガツオ・フクライ(宮城)・ノドクロ(千葉・神奈川)・シブワ(静岡県内浦)・デブガツオ(富山県生地・新湊・四方)・スマ(和歌山・高知)・ヒラメジカ(高知)・スンポオ(福岡)・ヲボツガツヲ(鹿児島)
名前の由来
体の扁平なソウダガツオということから。
特徴
ヒラソウダガツオは、サバ科の海水魚。
南日本各地や世界中の温・熱帯海域に分布しています。
体長は約30~40cmで、胸ビレ付近以外にウロコがないのが特徴。
イワシ類などの魚類を捕食していて、おもに沿岸から沖合を、大群をなして泳ぎ回っています。
最近では、磯でも釣れることが多いです。
血合いが多いのですが、鮮度保持に気をつければ、生でも食べることができます。
刺身や照り焼きなどにすると美味しいです。
カツオの旬
旬のカレンダー(初ガツオ)
旬のカレンダー(戻りガツオ)
カツオには旬が2回あります。
春先に日本近海を北上し、夏の到来を告げる、その年初めてのカツオを初鰹(ハツガツオ)と呼び、秋に脂がのって南下するカツオを戻り鰹(モドリガツオ)と呼んでいます。
カツオの産地
農林水産省(平成24年漁業・養殖業生産統計)参照 |
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静岡県 全国漁獲の31.9%の構成比 89,500t |
東京都 全国漁獲の10.9%の構成比 30,600t |
三重県 全国漁獲の8.7%の構成比 24,400t |
世界中で、年間約150万トンの漁獲量があります。
資源減少の心配がない、数少ない魚の一つ。
カツオの上手な選び方
- 目が赤くないもの。
- 背びれがしっかりとしているもの。
- 表面の色が鮮明で、銀色の横じまがはっきりとしているもの。
- サクになったものは、赤みの鮮やかなものが新鮮。
- 茶色っぽいものは鮮度が落ちているので、避けたほうがいいでしょう。
カツオの保存法
丸ごとの場合は、さばいて切り身にしてからペーパータオルで水気をふきとり、冷凍保存すると1週間くらいは保存可能です。
刺身の場合は、焼いて火を通すと冷蔵保存できますが、翌日には食べきるほうがいいでしょう。
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