梅干しの歴史と特徴!発祥~梅干しになるまで

梅干し 効果・効能

梅干しの発祥

お坊さん梅干しとして発祥するのは、鎌倉・室町時代になってからであり、当時は禅僧の茶菓子や調味料として梅干しが使われてきました。
その後、僧家の流れが武家の食卓にも徐々に影響を及ぼして、梅干しも広まっていきました。

広まった時には、梅干しはご飯のおかずになっていたとのことです。

戦国時代には携帯食として

武士戦国時代にさしかかると、梅干しは武士たちの重要な携帯食になりました。
戦闘で動くことができない時の疲労回復や食欲増進に活用されたり、泥水などを飲んだ時の腹痛止めや殺菌・ 傷口の消毒・伝染病の予防などにも使ったりしたようです。

梅干しのままや、梅干丸といって梅干しの果肉と玄米の粉や氷砂糖の粉末を練ったものを 食料袋に入れていたといわれています。

梅干しはとても貴重なものとされていて、たった1粒の梅干しを食べずに、ただ眺めるだけでとっておけといわれていました。
あの豊臣秀吉も、行軍に疲れた兵士たちに向かって、梅林止渇(あの山の向こうに梅林があるぞ)と言ったというエピソードも伝わっています。

江戸時代には一般庶民の食卓へ

江戸梅干しは、古代は権力者のための薬であり、戦国時代は武士のための貴重品でした。
見るだけであまり食べてはいけないと、梅干し一粒でも大切に扱われ、梅林の育成も各地で奨励されていました。

その後、江戸時代の後期になって、やっと一般庶民の食卓に梅干しがのぼるようになりました。
梅干しの製法が詳細に記さている本が誕生したり、町に梅干し売りが現れたりしています。

江戸後期になると、現在でいう梅肉エキスの原型らしきものが登場します。
当時の医療に関する本には、梅干しや梅肉エキスの効用に関しての記述が多く見られます。
また、江戸時代の末期になると、鎖国状態であったとはいえ、諸外国からの来訪が多くなります。

当時は疾病などの検疫などが整備されていませんから、外国から病気が持ち込まれたりしました。
その一つがコレラであり、現在ではコレラ菌が有機酸に弱い菌であることがわかっていますが、江戸時代の人々はそのことを知りませんでした。
しかし、当時の人々はみずからの体験から、梅干しに含まれる豊富な有機酸に強力な殺菌効果があることを知り、コレラの治療に役立てていました。

コレラに有効であると注目された梅干しは、それから再び脚光を浴びることになり、その後は健康維持に役立つ食品として盛んに利用されるようになります。

現在の梅干し

梅干しと漬け物近代の戦争では、兵士の健康を支える重要な食料として供給されてきました。

最近では、食生活の洋風化につれて、ここ20年間でのお米の消費量が半減しており、以前はご飯の友といわれていたたくあんや白菜浸けなどといった漬け物類の人気もじわじわと下落し続けています。
そんな中、梅干しに限ってはこの20年間の消費量が2倍増という状況になっています。
減塩梅干しや食べやすい梅干しなども入手できるようになり、身近な健康保存食として 日本中で人気があります。

梅干しは、日本人には必要不可欠な食べ物であり、今も昔も根強い人気に支えられています。

日本の家庭を代表する味

家庭現在では、スーパーなどに行けばいろいろな種類の梅干しがあるので、わざわざ自分で作らなくてもよく、 梅干しを手作りする家庭も少なくなってきています。
けれども、昔は梅干しといえば、家庭で作るのが当たり前でした。

昔の梅干しは、保存食として何年間もとっておくことができるように、塩を強くして漬けていました。
塩は強いけれど、それぞれに美味しくなるような漬け方を工夫して保存していて、必要に応じて食べていました。

最近では、健康のことを考えてうすい塩味にした減塩梅干しや、調味料で味をつけた調味梅干しなどがあります。
これなら、すっぱさもほどほどで食べやすいですが、本当の梅干しとは少し違います。

販売されている梅干しの問題点

  • クエン酸などの有効成分が失われている。
  • 多量の食品添加物が使用されている。
  • 実際の塩分はそう変わらないのに、すっぱくないのでついつい食べ過ぎ、塩分過剰の原因になってしまう。
  • 唾液の分泌が促進されることもなく、唾液のもつ効果はもちろん、食欲増進や疲労回復の効果もあまり期待できない。

今では、販売されている9割以上の梅干しがすっぱくなっていませんが、無添加のすっぱい梅干しだけが、健康のために役立つ本物の梅干しなのです。

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南高梅の歴史

梅の実梅の品種といえばまず最初に名前が上がる南高梅ですが、 梅の生産で日本一を誇る和歌山県みなべ町で誕生した品種です。
江戸時代、この近隣は年貢として収める米が全然育たなかったため、 生命力の強いやぶ梅に着目して生産してみましたが、この事が後になって日本一の梅の里として有名になった理由です。

南高梅が誕生するスタートは、昭和25年になります。
戦後の農業再建を考慮して、和歌山県みなべ町の特産である梅の品種の選定が5年にかけて実行されました。
出品された梅は驚くなかれ114種にもなるのですが、 それらの中から土地の気候や条件にあい、育て上げやすい高田梅を含めた7種類が優良品種として選定されました。

高田梅というのは高田貞楠さんという人が産み出した品種であり、とても大きな実とほのかな紅色が持ち味でした。
その高田梅の母樹の研究・開発に長い年月協力し合っていたのが、地元の南部高等学校園芸科です。

南部高等学校を略して南高といいますが、その努力に敬意を評して高田梅が南高梅と名付けられたのです。
現在では、主に和歌山県みなべ町と田辺市で栽培されている梅であり、果実は平均して25g~35gと大粒で、熟すに伴って緑色から黄色になり、日の当たる部分は見事な紅色がさします。

南高梅は梅の中でも最上級品とされていますが、南高梅を使用した梅干しは大粒で肉厚であり、果肉がやわらかく想像以上にジューシーです。
外見もかわいらしく、家族で味わうのはもちろんの事、贈答用としても人気があります。

果肉が薄く小粒であったやぶ梅が、近頃では梅ブランドとして高評価の南高梅に達するまでは、 品種改良など数多くの取り組みがあったとのことです。
手塩にかけて育てられた梅と、良い塩梅に漬ける技術が組み合わさった結果、最高級の梅干しが作られました。

梅干しになるまで

開花と受粉

梅の花梅の花は、早い品種では1月下旬には花を咲かせていますが、大きくわけて観賞用の花梅実の収穫を目的とした実梅にわけられ、品種は300以上もあります。

梅の開花は桜前線と同じで温かいところから始まり、日本列島を北上します。
早い地域では1月下旬、遅いところでも5月下旬までには開花します。

梅の木には2種類あって、梅自身の花粉で受粉して1本の木からでも実がなるものと、数本に1本の割合で受粉樹を植え、残りはミツバチのはたらきによって受粉し実をつけるものがあります。

実がなり始めると、農家では下草取りや肥料をまいて準備に入りますが、和歌山県の場合は6月になると収穫が始まります

収穫と選別

梅干しの山桃や梨などの果実は人の手でもぎとりますが、梅は違っていて、ひとりでに落下するのを待ちます。
これは落ち梅と呼ばれていて、梅干しに最適なのは完熟した落ち梅になります。

収穫時は山腹の斜面にネットを張り、ここに落ちた梅を一つずつ丁寧に集めていきます。

集められた梅はすぐに流水で洗浄し、品質検査の後、粒の大きさをきちんと揃えるために、人間の目で一粒ずつ選別していきます。

梅干しになる

梅 たくさん収穫された梅は、サイズ別に漬樽に漬け込まれていき、漬樽がいっぱいになるまで、梅を入れて塩を振る作業を交互に繰り返します。
終えると蓋を載せて重石をし、約1ヶ月間寝かせ、梅雨明けと同時に天日に干していきます。
くっつかないようにせいろの上に一つずつ離して並べ、裏返してはまた裏返す作業を3~5日かけて行います。

こうしてできあがったのが白梅干しであり、塩で漬けただけの昔から伝わる伝統的な梅干しです。

白梅干しも人気がありますが、生産量が多いのは調味梅です。
調理梅は、白干梅から塩分を抜き、カツオ節・しょうゆ・みりん・あるいはハチミツなどで味つけしたものです。
約10日間でできあがりますが、他にも、昆布を入れて漬け込む昆布梅・梅干しを焼いた焼き梅・天日干ししないで仕上げるカリカリ梅・シソ漬けの梅干しなどがあります。

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梅の実が塩漬けにされた理由

明るい梅の実梅の実は熟すと、とても良い香りを出しますが、生でかじるとすっぱくてぜんぜん美味しくないです。

昔の人は、この良い香りがする梅の実をなんとか美味しく食べようと考えたみたいです。
いまでこそ、砂糖といっしょに甘く煮たり焼酎と氷砂糖で梅酒にすると、梅の香りをいかした美味しい食べものになりますが、昔は砂糖も焼酎も高価でした。

庶民が梅の実の香りを手軽に楽しもうと思ったら塩漬けしかないと思ったので、梅の実の塩漬けが生まれたというわけです。

梅漬けと梅干しの違い

梅の保存梅の実を塩に漬けておくと、梅酢といって、梅の果汁が塩にみちびかれてでてきます。
これを、梅酢があがるといいます。

生で食べるとすっぱいだけの梅も、塩を加えると酸味と塩味の調和がとれて、美味しさがひきだされてきます。
こうして塩漬けにして梅酢をあげただけのものが梅漬けになります。
梅干しは、これをさらに梅酢と梅の実にわけ、実のほうは日に干して水分を少なくし、梅肉の風味や口ざわりをよくしたり、長く保存できるようにしたものです。

どうして梅酢かというと、梅の果汁にはクエン酸という酸がたくさん含まれていて、とてもすっぱいからです。
クエン酸はレモンなどのすっぱさの元になっている酸であり、梅の実には、この他にリンゴ酸という酸も含まれています。

梅酢についての詳しい内容は、こちらの記事:梅酢の効果・効能・使い方にて確認することができます。

梅干しは、すっぱくて塩辛いですが美味しいです。
酸と塩のバランスがいいと、酸味や塩味が濃くても、酸味や塩味だけを強く感じたりすることはありません。
また、ごはんやお茶といっしょに食べると、梅干しの濃い味がほどよい味になっていきます。

大福茶は縁起物

大福茶大晦日や節分の夜、梅干しに熱いお湯を注いで飲む大福茶という習慣は江戸時代に始まりました。
現在でも、元旦に福を呼ぶことを願って大福茶をいただく習慣があり、宮中の薬湯をまねたものとされ、長寿の薬ともいわれています。

一般的には茶碗に長寿の象徴である梅干しと、縁起の良い昆布を入れ、若水(元旦の朝いちばんにくんだ水のこと)で入れた煎茶を注ぎますが、地方や家庭により、煎茶の代わりに白湯(さゆ)や白梅酢でいただいたり、中に入れるものも黒豆やさんしょうなどさまざまです。

また、最近では元旦に限らず、お祝いごとにも飲まれる人も多くなっています。

梅干しは外国人に嫌われる?

外国人食習慣の違いはおもしろいもので、同じ日本でも関東と関西ではずいぶん異なる面があるものです。

日本国内でもさまざまな違いがあるのですが、外国人から見た場合日本食はどうみられているのでしょうか?

欧米や東南アジア・アフリカの人たちに、彼らが嫌いだと思われる日本の食品を出して、試食して評価してもらいました。
その結果、ワースト5には納豆・塩辛・梅干しときて、あとは海苔の佃煮やこんにゃくといったものになりました

ご飯あってこそ味も引き立ち、またご飯自体も美味しくなるというものがほとんどであり、やはり日本の食文化は米が中心であるということなのでしょうか?

良い梅干しとは?

きれいな梅干し梅干しが見るからにふっくらとやわらかそうで、きれいなものが良い梅干しです。

適当な小じわがあるほうがよく、小じわが多すぎてもいけませんし、斑点のあるもの・いかにもかたそうなもの・干しすぎて塩が吹いているものなどは良い梅干しとはいえません。
また、タネが小さくて果肉が多く、肉質がきめ細かいものです。

皮は薄くてやわらかく破れにくいのと、果肉は少しやわらかめで、皮を破ってみた時に皮と果肉がなじんでいるようなものがいいです。
それと、すがすがしい香りがし、塩味と酸味が調和してまろやかな味がするものが良い梅干しであり、干してから3年めぐらいからのものが美味しいです。
   

 

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