紫蘇(シソ)の特徴
シソの原産は中国・ヒマラヤ・ミャンマーであり、日本では平安時代以前から栽培されていたといわれています。
漢字で紫蘇と書くことからもわかるように、本来シソは赤シソのことになります。
栽培種は、赤シソや青シソ(大葉)に分類されていて、梅干しには赤シソが使われています。
赤シソは、おもに梅干し用の色付けとして6月~8月ごろだけ出まわり、酢などに漬けると鮮やかな赤色に変わります。
青シソは、おもに薬味として刺身のツマなどに添えられていますが、香りによって魚の臭みを抑えるだけでなく、強い防腐作用があります。
シソには食欲増進を高める香り成分や強い殺菌力があり、β-カロテンが豊富に含まれていて、細胞の酸化を防いで美肌づくりやアンチエイジングに役立ちます。
シソについての詳しい内容はコチラ:紫蘇(しそ)の特徴とは?旬や産地なども紹介
シソの効果
梅干しが赤くなるのは、シソの色素成分であるアントシアニンが梅の有機酸と化学反応をおこすためであり、シソに漬けると自然に赤い色に染まり、見た目にも美味しそうになります。
また、シソの香りの成分であるペリルアルデヒドには強い防腐力と制菌作用があるので、保存性を高めるため、梅干し作りにシソを利用したと考えられています。
さらに、シソも梅干しと同様に胃液の分泌を促したり、消化吸収をよくする作用があり、強力な抗酸化物質を含んでいます。
このように、シソは単なる色付けだけではなく、梅干しのからだにいい効果をアップさせてくれるのです。
シソで梅干しを漬けるのはなぜ?
梅干しにシソの葉がいつから使われるようになったのか、はっきりしたことはわかっていません。
ただ、300年ほど前に書かれた宮崎安貞の農業全書に、梅の実やシソの葉の加工方法に関する記述が載っていたことがわかっています。
また、梅干しにシソを加えて作るのは日本だけであり、同じく梅干しを作っている中国や台湾ではもともと使われていないです。
中国から伝えられた梅は、長い年月をかけて日本人の生活に溶け込み、シソを加えた梅干しをつくるようになったのです。
シソには赤い色素を持つ赤シソと赤い色素を持たない青シソがありますが、梅漬けや梅干しに使うシソは赤シソになります。
赤シソは、香りは弱いけれど赤い色に特徴があり、青シソは、シソ特有の強い香りが特徴になります。
梅の実と塩だけで漬けた梅干しは、2~3年すぎると赤い色が強くなってきますが、漬けたその年は淡い桃色にしかしかなりません。
昔の人は、すぐに赤い色の梅漬けや梅干しにしたくて、赤シソを利用したのだと考えられています。
そして、赤シソは色が鮮やかで香りがおだやかであり、梅の香りとうまく調和するので、ずっと使い続けられているのだと思います。